こんにちは。キャリアアドバイザーの高橋美咲です。「転職活動、まずは履歴書から」そう思ってはいるものの、いざ白紙のフォーマットを前にすると、どこから手をつければいいか分からず手が止まってしまっていませんか?
職務経歴書と違って、履歴書はなんだか形式張っていて、何を書けばいいか迷ってしまいますよね。特に、新卒の時以来久しぶりに書くという方はなおさらかもしれません。
ご安心ください。この記事では、転職における履歴書の基本的な役割から、採用担当者が『本当に見ている』重要項目、そして今や常識となったパソコンでの作成マナーまで、あなたがもう迷わないための全てを一つひとつ丁寧に解説していきます。
そもそも、転職で「履歴書」は何を見られている?
職務経歴書があなたの『実務能力』をアピールするプレゼン資料だとすれば、履歴書は、あなたの『人としての信頼性』と『基本的なプロフィール』を確認するための公的な書類、という位置づけです。
採用担当者は、履歴書から以下の3つの点を確認しています。
① 応募者の基本情報(年齢、学歴、職歴など)
②募集要項とのマッチ度(資格、スキルなど)
③書類作成能力と丁寧さ(誤字脱字、適切なフォーマットか)
特に3つ目は重要です。内容以前に、誤字脱字が多かったり、明らかに使い古されたフォーマットだったりすると、「仕事も雑なのではないか」というマイナスの第一印象を与えかねません。履歴書は、あなたという人間を映す鏡なのです。
【項目別】採用担当者が本当に見ている、書き方のポイント
それでは、各項目で何を意識して書くべきか、具体的なポイントを見ていきましょう。
① 日付・基本情報
日付は、提出する日(郵送なら投函日、持参なら当日)を記入します。西暦か元号かは、書類全体で統一されていればどちらでも問題ありません。住所は都道府県から、建物名や部屋番号まで省略せずに正確に書きましょう。
② 学歴・職歴
学歴は、義務教育は卒業年次のみ、高等学校以降は入学・卒業の両方を書くのが一般的です。職歴は、すべての入社・退社歴を正確に記載します。会社名は「(株)」などと略さず、「株式会社〇〇」と正式名称で書きましょう。
③ 免許・資格
応募する職種に関連性の高いものから順に、正式名称で記載します。現在勉強中の資格があれば、「〇〇資格取得に向けて勉強中」と書くことで、学習意欲をアピールすることもできます。
④ 志望動機
履歴書で最も重要な項目です。職務経歴書と内容が重複しても構いませんが、より簡潔に、あなた自身の言葉でまとめることが求められます。『なぜ、他の会社ではなく、この会社なのか』『入社して、自分の何を活かし、どう貢献したいのか』この2点が、採用担当者が最も知りたいことです。使い回しの文章は、必ず見抜かれます。
⑤ 本人希望記入欄
特に希望がない場合は「貴社規定に従います。」と書くのが一般的です。もし、勤務地や職種などで絶対に譲れない条件がある場合は、ここに簡潔に記載します。ただし、条件を書きすぎると、敬遠される可能性もあるので注意が必要です。
今や常識!PC作成の基本ルールとおすすめフォーマット
特別な指定がない限り、現代の転職活動では、履歴書はパソコンで作成するのが一般的です。手書きよりも効率的で、修正も簡単な上、採用担当者にとっても読みやすいというメリットがあります。
フォーマットは、厚生労働省が推奨しているテンプレートが、最も標準的で安心です。JIS規格のものなど、様々な種類がありますが、基本的にはご自身の経歴が収まりやすいものを選んで問題ありません。
作成し終えたら、PDF形式で保存するのがマナーです。WordやExcelのままだと、見る人の環境によってレイアウトが崩れてしまう可能性があります。ファイル名は「履歴書_氏名_日付.pdf」のように、誰が見ても分かりやすいものにしましょう。
「神は細部に宿る」を忘れずに
履歴書作成は、地味で面倒な作業に感じるかもしれません。しかし、この一枚の書類に、あなたの丁寧さ、誠実さ、そして入社への熱意が表れます。
提出する前に、声に出して読み返してみてください。誤字脱字はありませんか?全体の体裁は整っていますか?その一手間が、あなたの評価を大きく左右します。「神は細部に宿る」。この言葉を胸に、自信を持って提出できる、完璧な一枚を仕上げてください。
次のステップへ:履歴書が完成したら、次はいよいよ面接対策です。
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履歴書のよくある質問(Q&A)
履歴書に貼る写真の、正しい撮り方やマナーはありますか?
はい、写真はあなたの第一印象を決める重要な要素です。清潔感のある髪型と服装(スーツが基本)で、3ヶ月以内に撮影したものを使用しましょう。口角を少し上げた、明るく誠実な表情が理想です。スピード写真でも問題ありませんが、写真館でプロに撮影してもらうと、仕上がりの差は歴然です。
手書きとパソコン、どちらが有利ですか?
企業からの指定がない限り、どちらが有利ということはありません。しかし、現代ではPCスキルを示す意味でも、パソコンでの作成が一般的です。ただし、字の綺麗さに自信があり、丁寧さや熱意をアピールしたい場合は、手書きが功を奏することもあります。ご自身の強みが活かせる方を選びましょう。
職歴にブランク(空白期間)がある場合、正直に書くべきですか?
はい、職歴は正直に、正確に記載するのが鉄則です。ブランク期間がある場合は、その理由を面接で説明できるように準備しておきましょう。「資格取得のために勉強していた」「留学していた」など、ポジティブな理由であれば、むしろアピールポイントになります。正直さと、前向きな姿勢が大切です。

監修者コメント:高橋さんの解説は、まさに私たちが採用現場で見ていたポイントそのものです。特に『神は細部に宿る』という言葉は、履歴書の本質を的確に表しています。誤字脱zetaが多い書類を見た瞬間に、その候補者の評価を一段階下げてしまう、というのが我々の正直な感覚です。この書類一枚で、あなたの仕事に対する姿勢が問われている、と心得てください。