「ガクチカの書き方完全ガイド|400字テンプレ&面接深掘りシート付き」

木原 雄一

この記事を書いた人

木原 雄一

編集長 / 元・東証プライム企業 管理職

20年にわたり、大手企業の管理職として採用活動に深く関与。数千人以上のガクチカに目を通してきた経験から「評価されるガクチカ」と「評価されないガクチカ」の本質的な違いを熟知しています。この記事は、私がこれまで出会ってきたすべての悩める学生へのエールです。

「学生時代に力を入れたことなんて言われても、自分にはそんな特別な経験なんて何もない・・・」エントリーシートを前に、頭を抱えていませんか。周りの友人の華々しいガクチカを聞くたびに、どんどん自信を失っていく。その気持ち、痛いほどよく分かります。

しかし、私が20年間、採用の現場で見てきた経験から断言します。9割の学生が『ガクチカ』という言葉の意味を、根本的に誤解しています。この記事を読めば、その呪縛から解放され君だけの最高のガクチカが、必ず見つかります。

結論:評価されるガクチカは「構成」で決まる

ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)で、採用担当者が知りたいのは「すごい経験」ではありません。知りたいのは、君が『未知の課題に対して、どう考えどう行動する人間なのか』という思考プロセスです。そのため、経験の大小よりも『課題→行動→結果→学び』という、論理的な構成で語れるかどうかが評価を大きく分けます。

この記事で紹介する『準備→型→手順』の3点を徹底すれば、どんな経験も君の魅力を伝える最強の武器に変わります。

書く前に勝負は決まる!準備チェックリスト

最高のガクチカを書くための、最初のステップです。以下の5つの準備を、必ず行ってください。

  • 時系列で「経験リスト」を作る:アルバイト、学業、サークル、趣味など大小問わずまずは全て書き出す。
  • 各経験を分解する:「状況・課題・役割・行動・結果・学び」の6項目で、一行ずつ整理する。
  • 志望企業の分析:企業の事業内容や求める人物像を調べ、自分のどの経験が響きそうか当たりをつける。
  • 深掘り質問の想定:面接官になったつもりで、自分の経験に「なぜ?」「具体的には?」と問いかけ答えを準備する。
  • 第三者チェックの予約:完成したら、必ずキャリアセンターの職員や信頼できる先輩に読んでもらう約束を取り付ける。

あわせて読みたい:この「経験リスト」は、自己分析の第一歩です。より深く自分を知るためには、こちらの記事も参考にしてください。
【転職の軸の作り方】もう迷わない。キャリアのプロが教える「Will-Can-Must」自己分析

【最重要】採用担当者に響く「書き方の型」と400字の時間配分

数千通のESを読んできた私が、最も理解しやすく評価が高いと感じる「書き方の型」と一般的な400字にまとめるための文字数配分を伝授します。

  1. 導入(テーマ提示):何に力を入れたか(50字)

  2. 課題・目標:なぜ、それに取り組む必要があったか(100字)

  3. 具体的な行動:君が『主体的に』何をしたか(150字)

  4. 結果と学び:行動の結果、何が変わり、何を学んだか(100字)

【テンプレ付】ガクチカ作成の全7ステップ

上記の型を元に、実際にガクチカをゼロから作り上げるための、具体的な7ステップをご紹介します。

ガクチカ 400字作成テンプレート

以下の5つのステップに沿って、あなた自身の言葉で穴埋めするだけで、論理的で伝わるガクチカの骨子が完成します。

  1. 【STEP 1】導入:何に力を入れたか(目標:50字)
    (例:私が学生時代に最も力を入れたのは、飲食店でのアルバイトにおける新人教育のマニュアル作成です。)
  2. 【STEP 2】課題:なぜ、それに取り組む必要があったか(目標:100字)
    (例:当時、私のアルバイト先では、新人スタッフの離職率の高さが深刻な課題でした。その原因は、教育体制が属人化しており新人が放置されがちだった点にあると考えました。)
  3. 【STEP 3】具体的な行動:あなたが『主体的に』何をしたか(目標:150字)
    (例:そこで私は、誰でも同じレベルで業務を覚えられるよう、写真付きの業務マニュアルを自主的に作成しました。具体的には〇〇〇)
  4. 【STEP 4】結果と学び:その行動の結果、何が変わったか(目標:100字)
    (例:その結果、新人が質問しやすい雰囲気が生まれ、入社3ヶ月後の離職率は前年比で50%改善しました。この経験から〇〇〇)

【例文3選】アルバイト・部活・趣味、君の経験は全て武器になる

「でも、やっぱり自分には大した経験が・・・」そう思う君のために、ごく普通の経験を最高のガクチカに昇華させた例文を3つご紹介します。

採用担当のホンネ① by 高橋 美咲
『アルバイトの例文、素晴らしいですね。売上を改善したという結果はもちろんですが、それ以上に「お客様の待ち時間」という課題に気づき、主体的に行動したというプロセスに候補者の人柄とポテンシャルを感じます。』

【面接対策】必ず聞かれる「深掘り質問」への万全な準備

ESが無事に通過したら、次はいよいよ面接です。面接官は、君のESに書かれた内容が真実かそして、その経験から何を学んだのかを、鋭い質問で深掘りしてきます。以下の想定問答で、回答をシミュレーションしておきましょう。

面接深掘りシミュレーション

Q1. その経験の中で、あなたが『主体的』に行ったことは何ですか?具体的に教えてください。
A. (ヒント:「私が担当したのは〇〇です」「私が発案し、〇〇を実行しました」のように、自分の役割を明確に答えましょう。)
Q2. その取り組みの中で、最も『困難だった』ことは何ですか?そして、それをどう乗り越えましたか?
A. (ヒント:困難→原因分析→具体的な対策→結果、という流れで語ると、課題解決能力をアピールできます。)
Q3. 失敗した点や、今思うと「もっとこうすれば良かった」という点はありますか?
A. (ヒント:正直に失敗を認め、そこからの「学び」や「改善意欲」を示すことで、誠実さと成長意欲を伝えられます。)
Q4. 周囲のメンバー(先輩、同僚など)とは、どのように協力しましたか?
A. (ヒント:チームで成果を出す上で、あなたがどんな役割を果たせる人間なのかを見ています。)

よくある質問(Q&A)

ガクチカが本当に何も思いつきません・・・

大丈夫。日常の小さな継続(例:毎日1時間の英語学習、サークルの会計係を2年間続けた)を掘り下げ、「なぜ続けたか→困難は何か→どう工夫したか」の順で語るだけで、君の「継続力」や「責任感」という強みをアピールできます。

400字にどうしても収まりません…

「具体的な行動」の部分が長くなりすぎていることが多いです。最も伝えたい行動を1つか2つに絞り、「~を行い、~をし、~しました」と、箇条書きのように簡潔にまとめましょう。「そして」「また」といった接続詞を削るだけでも、文字数は大きく減らせます。

趣味(ゲーム、アニメ鑑賞など)をガクチカにしてもいいですか?

全く問題ありません。ただし、その趣味を通じて『ビジネスに活かせる学び』があったことを、必ず論理的に説明する必要があります。(例:オンラインゲームのチームリーダー経験で、多様な価値観を持つメンバーをまとめる調整力を学んだ、など)

採用担当のホンネ② by 鈴木 健太
『IT業界の面接では、趣味で個人開発をしている学生に会うと非常に評価が高まります。「好き」を原動力に、主体的に学ぶ姿勢は変化の速いこの業界で生き残るために、何より重要な資質だからです。』

田中 由紀

この記事の監修者

田中 由紀

国家資格キャリアコンサルタント

監修者コメント:編集長の言葉は、まさにキャリアカウンセリングの本質そのものです。私たちが支援するのも、輝かしい経験を探すことではなく、学生一人ひとりの経験の中に眠る「意味」と「価値」を共に言語化していくプロセスです。この記事は、最高の自己分析の教科書ですね。

私は採用側の視点から、常に『具体性』と『再現性』を重視します。学生の皆さんは「何をしたか」だけでなく「それが何を変え、どう仕事に繋がるのか」をぜひ自分の言葉で語ってください。迷ったら、この記事の7ステップを、一つずつ確実に実行してみてください。

木原 雄一(編集後記)

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木原 雄一

編集長 / 元・東証プライム企業 管理職

はじめまして、木原 雄一です。 「今の仕事、このままでいいのかな…」かつての私も、あなたと全く同じように悩んでいました。 東証プライム企業で20年。管理職も経験し、採用する側の立場も、部下を育てる立場も経験しました。傍から見れば恵まれた環境。でも、だからこそ見えてくる「組織のリアル」と「個人の幸せ」のズレがありました。 「本当にやりたいことは、ここじゃないかもしれない」 その気持ちに蓋をするのをやめ、2025年6月末に退職。私自身が大きなキャリアチェンジを経験した当事者として、そして20年間で数多くのキャリアを見てきた先輩として、このメディアを立ち上げました。 転職は、怖くて当たり前。でも、正しい知識があれば、それは「最高の未来を選ぶための冒険」に変わります。あなたの冒険の、信頼できる地図になれたら嬉しいです。

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