【例文あり】ネガティブな退職理由、面接でどう伝える?元管理職が本音で教える正直な伝え方

木原 雄一

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木原 雄一

編集長 / 元・東証プライム企業 管理職

管理職として、数千人以上の面接に立ち会ってきました。「退職理由」ほど候補者の『人間性』と『誠実さ』が表れる質問はありません。この記事では、私が実際に心を動かされた「伝え方」の極意を本音でお話しします。

こんにちは。編集長の木原です。「退職理由は何ですか?」面接でこの質問をされた時、あなたの心は少しだけザワつきませんか。「会社の将来が不安で・・・」「上司との人間関係が・・・」そんなネガティブな本音を、正直に話していいものか。多くの人が、ここで言葉に詰まります。

嘘をつくのは、誠実ではない。しかし、本音を言い過ぎて評価を落としたくはない。そのジレンマ、痛いほどよく分かります。

この記事では、そんなあなたの悩みを完全に解消します。採用担当者がこの質問で本当に知りたいこと、そしてどんなネガティブな退職理由であっても、あなたの評価を下げずにむしろ『信頼できる人材だ』と印象付けるための具体的な伝え方を、例文と共に徹底解説します。

結論:面接官は「理由」そのものではなく『学び』と『再現性』を見ている

まず、あなたに知っておいてほしい最も重要なこと。それは、我々面接官はあなたの退職理由が「給与への不満」であれ「人間関係」であれ、その理由自体をほとんど問題視していないということです。

我々が本当に知りたいのは、そのネガティブな事実に対してあなたが『何を学び』そして、その学びを活かして『次の会社で、同じ問題を繰り返さないか(再現性はないか)』というあなたの思考プロセスなのです。

【NG例】9割がやってしまう評価を落とす「残念な」伝え方

本題に入る前に、私が面接で「この候補者は少し危険かもしれない」と感じてしまった典型的なNGな伝え方を見てみましょう。

  • 愚痴・不満で終わる:「とにかく上司が高圧的で、正当な評価をしてくれませんでした」
  • 他責思考がにじみ出る:「会社の業績が悪化したのは、経営陣の判断ミスです」
  • 抽象的で、何も伝わらない:「社風が、自分には合いませんでした」

これらの伝え方に共通するのは、問題の原因をすべて『外部環境のせい』にしておりその経験から自分が何を学び、どう成長したかという視点が完全に欠落していることです。

【例文あり】どんな理由も武器になる!ネガティブ理由をポジティブに転換する『3ステップ話法』

では、どうすればいいのか。答えはシンプルです。どんな退職理由であっても以下の3つのステップで再構成するのです。

  1. (事実)客観的な事実を、簡潔に伝える

  2. (学び)その経験から、何を学んだかを語る

  3. (貢献)その学びを、入社後どう活かすかを約束する

このフレームワークを使えば、どんなネガティブな理由もあなたの成長ストーリーへと生まれ変わります。具体的なケースで見ていきましょう。

ケース1:退職理由が「会社の将来性への不安」の場合

NGな伝え方

「前職は業界の先行きが不透明で、会社の将来性に不安を感じたため退職を決意しました。」

OKな伝え方

「(事実)前職では、市場の変化により会社の将来性に危機感を覚えるようになりました。(学び)その経験から、変化に対応し続けることの重要性と自分自身が事業成長に直接貢献したいという想いが強くなりました。(貢献)顧客の課題を解決し、確かな成長を続けている御社でこそ私のこの想いを実現できると確信しております。」

ケース2:退職理由が「パワハラ・人間関係」の場合

NGな伝え方

「上司からのパワハラがひどく、精神的に限界だったため辞めました。」

OKな伝え方

「(事実)前職では、残念ながら健全とは言えないコミュニケーション環境がありました。(学び)その中で、私自身が心理的安全性を保ちチームとして成果を出すための建設的な対話の重要性を、身をもって学びました。(貢献)御社のように社員一人ひとりを尊重し、チームワークを大切にする文化の中でこそ、私のこの経験と学びが活かせると考えております。」

ケース3:退職理由が「短期離職」の場合

NGな伝え方

「入社してみたら、聞いていた話と全く違ったのですぐに辞めました。」

OKな伝え方

「(事実)前職では、入社前の私の企業研究が不足していたため残念ながら早期退職という決断に至りました。(学び)この痛恨の失敗から、企業の理念や文化を深く理解し、自分の価値観と照らし合わせることの重要性を誰よりも痛感しております。(貢献)だからこそ、御社の〇〇という理念に深く共感し、今度こそ腰を据えて貢献したいと心から願っております。」

まとめ:正直さは、最大の武器である

面接は、自分を良く見せるための演技の場ではありません。それは、企業とあなたが対等なパートナーとして、共に未来を歩んでいけるかを確認する『対話』の場です。

困難な経験から逃げずに、そこから何を学んだのかをあなた自身の言葉で誠実に語ってください。その『正直さ』こそが、小手先のテクニックを凌駕するあなたの人間的な信頼性を証明する最大の武器になるのです。

「退職理由」のよくある質問(Q&A)

Q.
面接官に「もっと具体的に」と深掘りされたらどこまで話すべきですか?
A.
深掘りされても、決して前職の悪口や感情的な話に終始してはいけません。話すべきは、あくまで客観的な『事実』とあなたの『行動』です。例えば「高圧的な上司だった」と語るのではなく「トップダウンの指示系統の中で、ボトムアップの提案が通りにくいという課題がありました。私はその中で、データに基づいた提案書を作成し粘り強く上申しました」といった形で、あなたのプロフェッショナルな対応を語ってください。
Q.
絶対に言ってはいけないNGな退職理由はありますか?
A.
はい、あります。それは、他責思考に終始しその経験から何も学んでいないと判断される理由です。「会社のせい」「上司のせい」「同僚のせい」と語るだけで、そこに「私自身にも〇〇という改善点があったと学びました」という内省の視点が全くない場合、我々面接官は「この人物は、入社しても同じことを繰り返すだろう」と判断します。
Q.
正直に「給与への不満」を伝えるのはやはり印象が悪いでしょうか?
A.
伝え方次第です。「給料が安かったので辞めました」ではただの不満です。しかし「私の出した成果(例:年間〇〇円の売上貢献)に対して、会社の評価制度では正当な報酬が得られないという構造的な課題がありました。成果を正当に評価し、社員に還元する文化を持つ御社でこそ私の貢献意欲は最大化されると考えています」と語ればそれは極めて論理的で力強い自己PRになります。
高橋 美咲

この記事の監修者

高橋 美咲

キャリアアドバイザー / ライフとキャリアの専門家

編集長の解説は、まさに私が日々、求職者の皆様にお伝えしていることの核心です。特に、ネガティブな事実を「学び」へと転換する視点は、面接の成否を分ける極めて重要なポイントです。この記事は、退職理由の伝え方に悩む全ての人にとって心強いお守りになるでしょう。

木原 雄一

編集長 / 元・東証プライム企業 管理職

はじめまして、木原 雄一です。 「今の仕事、このままでいいのかな…」かつての私も、あなたと全く同じように悩んでいました。 東証プライム企業で20年。管理職も経験し、採用する側の立場も、部下を育てる立場も経験しました。傍から見れば恵まれた環境。でも、だからこそ見えてくる「組織のリアル」と「個人の幸せ」のズレがありました。 「本当にやりたいことは、ここじゃないかもしれない」 その気持ちに蓋をするのをやめ、2025年6月末に退職。私自身が大きなキャリアチェンジを経験した当事者として、そして20年間で数多くのキャリアを見てきた先輩として、このメディアを立ち上げました。 転職は、怖くて当たり前。でも、正しい知識があれば、それは「最高の未来を選ぶための冒険」に変わります。あなたの冒険の、信頼できる地図になれたら嬉しいです。

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