【円満退社】退職の伝え方、間違えていませんか?元管理職が明かす上司が応援したくなる切り出し方

こんにちは。編集長の木原 雄一です。転職活動における最後の、そして最も精神力を使う仕事。それが「退職交渉」です。内定が出た安堵感から、ついこの最終関門の準備を怠ってしまい、気まずい雰囲気のまま会社を去る人を、私は管理職時代に何人も見てきました。

退職を伝えることは、決して裏切り行為ではありません。それは、お世話になった会社と上司に対し、あなたが社会人として示せる「最後の誠意」であり、あなた自身の次のキャリアを最高の形でスタートさせるための、極めて重要な「クロージング・プレゼンテーション」なのです。

この記事では、私が部下から退職を告げられてきた経験から、「こういう伝え方をしてくれると、心から応援したくなる」「こういう進め方をされると、正直困ってしまう」という、生々しい本音を交えながら、完璧な円満退社を実現するための全ステップをお伝えします。

退職を切り出す前に、必ず準備すべき3つのこと

退職交渉は、戦いではありません。しかし、丸腰で臨んでいいほど甘いものでもありません。上司に話を切り出す前に、最低限以下の3つの「武器」と「防具」を準備してください。これが、あなたの心の余裕に繋がります。

1. 揺るがない「退職の意思」と「退職理由」

まず、あなた自身の意思が固まっていることが大前提です。「少し相談が…」といった曖昧な切り出し方は、上司に「引き止めれば、考え直してくれるかもしれない」という余計な期待を抱かせ、交渉を複雑にするだけです。

伝えるべき退職理由は、ポジティブで、個人的な、そして覆しがたいものであるのが鉄則です。「給与が不満で」「人間関係が嫌で」といったネガティブな理由は、改善策を提示され、引き止めの口実を与えてしまいます。「〇〇という分野での専門性を高め、キャリアを築きたい」といった前向きな理由を、あなた自身の言葉で語れるように準備しておきましょう。

木原 雄一

2. 書面で交わされた「内定通知書(労働条件通知書)」

口頭での内定だけでは、まだ不十分です。必ず、給与や待遇が明記された正式な内定通知書を手元に確保してから、退職交渉を始めてください。これは、万が一の事態からあなた自身を守るための、最も重要なセーフティネットです。

3. 自社の「就業規則」の確認

法律上、退職の申し出は2週間前までとされていますが、多くの会社では就業規則で「退職希望日の1ヶ月前(または2ヶ月前)までに申し出ること」と定められています。引継ぎなどを考慮し、この社内ルールを確認し、尊重する姿勢を見せることが、円満退社の基本です。

実践編:上司への伝え方、完璧なシナリオ

準備が整ったら、いよいよ実行です。ポイントは「誰に」「いつ」「どこで」「何を」伝えるか。このシナリオを間違えなければ、交渉は8割成功したようなものです。

伝える相手:直属の上司、ただ一人です。同僚や先輩に先に話すのは、人間関係をこじらせる最悪のNG行動です。
タイミング:業務時間後や、上司が比較的忙しくない時間帯を見計らい、「少し、個人的にご相談したいお時間よろしいでしょうか」とアポイントを取りましょう。
場所:会議室など、他の人に話を聞かれない、二人きりになれる静かな場所を指定します。

そして、最も重要な「何を伝えるか」。以下の順番とセリフを参考に、あなた自身の言葉で組み立ててみてください。

①感謝→②退職の意思表示→③退職希望日→④退職理由→⑤貢献の意思

「〇〇さん(上司の名前)、お時間いただきありがとうございます。突然のご報告で大変申し訳ないのですが、一身上の都合により、来月末日をもちまして退職させていただきたく、ご報告にまいりました。かねてより挑戦したいと考えておりました〇〇の分野で、次のキャリアを歩む決心をいたしました。これまで〇〇さんには大変お世話になり、感謝しかありません。最終出社日まで、業務の引継ぎは責任を持って全力で務めさせていただきます」

この流れで、誠意をもって、しかし毅然とした態度で伝えることができれば、上司もあなたの決意を受け止めざるを得ません。

もし、強い引き止めにあったら?

あなたが優秀であればあるほど、会社はあなたを引き止めようとします。「給与を上げる」「部署を異動させる」といった好条件を提示されることもあるでしょう。

ここで心が揺らいではいけません。一度退職を申し出た社員が、引き止めに応じて会社に残ったとしても、その後のキャリアが好転するケースは極めて稀である、と私は断言します。感謝の意を伝えつつ、「自分の決意は変わりません」と、丁寧かつ明確に断りましょう。

最高の「立つ鳥跡を濁さず」を。

円満退社は、あなたのこれまでの社会人生活の集大成です。お世話になった会社や同僚への最大の恩返しは、あなたが気持ちよく次のステージへ羽ばたき、そこで活躍する姿を見せることに他なりません。

立つ鳥跡を濁さず。この日本の美しいことわざを、ぜひあなたのキャリアの新たな門出で実践してください。それは、あなたの未来をさらに輝かせる、最高のスタートダッシュになるはずです。

渡辺 和子

この記事の監修者

渡辺 和子

キャリアコンサルタント / 元・地方公務員

監修者コメント:編集長が語る「最後の誠意」という言葉に、深く共感します。特に前例が少なく、引き止めも強い公務員からの転職では、この記事で示されている「揺るがない意思」と「感謝の姿勢」が何より重要になります。民間企業を目指す方にとっても、完璧な教科書です。

木原 雄一

編集長 / 元・東証プライム企業 管理職

はじめまして、木原 雄一です。 「今の仕事、このままでいいのかな…」かつての私も、あなたと全く同じように悩んでいました。 東証プライム企業で20年。管理職も経験し、採用する側の立場も、部下を育てる立場も経験しました。傍から見れば恵まれた環境。でも、だからこそ見えてくる「組織のリアル」と「個人の幸せ」のズレがありました。 「本当にやりたいことは、ここじゃないかもしれない」 その気持ちに蓋をするのをやめ、2025年6月末に退職。私自身が大きなキャリアチェンジを経験した当事者として、そして20年間で数多くのキャリアを見てきた先輩として、このメディアを立ち上げました。 転職は、怖くて当たり前。でも、正しい知識があれば、それは「最高の未来を選ぶための冒険」に変わります。あなたの冒険の、信頼できる地図になれたら嬉しいです。

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