【元SIerが解説】SIerとWeb系の違いとは?後悔しない企業選びのための5つの視点

こんにちは。ITキャリア専門ライターの鈴木です。私は以前、大手SIerでシステムエンジニアとして働いていました。そして今は、Web業界の事業会社にいます。つまり、多くの人が悩む「SIerか、Web系か」という二つの世界を、両方とも経験してきた人間です。

転職相談を受けていると、「なんとなくWeb系の方がキラキラして見える」「SIerは安定してそう」といった、漠然としたイメージでキャリアを考えている人があまりにも多いことに驚かされます。その選択は、あなたのエンジニアとしての未来を大きく左右する、極めて重要な分岐点です。

この記事では、私が両方の世界で見てきたリアルな実情をもとに、この二つの業界が「具体的に何がどう違うのか」を5つの視点から徹底的に比較・解説します。この記事を読めば、あなたが本当に進むべき道が、きっと見えてくるはずです。

そもそも何が違う?SIerとWeb系のビジネスモデル

まず大前提として、両者のビジネスモデルが全く異なります。SIer、つまりシステムインテグレーターは、顧客となる企業の業務システム(例えば、銀行の勘定系システムや、メーカーの生産管理システムなど)を受託開発するのが主な仕事です。顧客の課題を解決することがミッションであり、ビジネスの相手は「企業(BtoB)」です。

一方、Web系企業は、自社で企画・開発したWebサービスやアプリ(例えば、SNSやECサイト、ゲームなど)を一般のユーザーや企業に提供するのが仕事です。自社のサービスを成長させることがミッションであり、ビジネスの相手は「不特定多数のユーザー(BtoC)」であることが多いのが特徴です。

5つの視点で徹底比較!あなたに合うのはどっち?

ビジネスモデルの違いが、仕事内容から文化まで、あらゆる面にどう影響するのか。具体的な5つの視点で比較してみましょう。

比較項目 SIer Web系
仕事内容 顧客の業務課題解決が目的。要件定義から設計、開発、テスト、保守まで大規模・長期的なプロジェクトが多い。 自社サービスの成長が目的。新機能の企画・開発、改善を高速で繰り返す。アジャイル開発が主流。
求められる技術 Java、C#などを用いた堅牢なシステム構築。ウォーターフォール開発や品質管理の知識が重視される。安定した技術を好む傾向。 Ruby、PHP、Goなどモダンな言語。AWS等のクラウド技術や、UI/UX、データ分析など、常に新しい技術のキャッチアップが求められる。
キャリアパス プロジェクトマネージャー(PM)を目指すのが王道。技術を極めるより、顧客折衝や進捗管理などのマネジメントスキルが評価されやすい。 技術を極めるテックリードや、サービスの成長を担うプロダクトマネージャー(PdM)など多様な道がある。技術力そのものが評価に直結しやすい。
働き方・文化 顧客先に常駐することも多い。服装はスーツやビジネスカジュアルが基本。堅実で安定志向の人が多い印象。年功序列の文化が根強い傾向。 私服勤務、リモートワーク、フレックスタイムなど自由な働き方が多い。変化を楽しみ、自律的に動ける人が多い印象。成果主義の文化。
年収・評価 安定して昇給していく傾向。大規模プロジェクトのPMになれば高年収も期待できるが、若手のうちは比較的緩やか。 実力次第で若手でも高年収が可能。ストックオプション制度がある企業も。ただし、スキルがなければ評価はシビア。

結論:安定のSIerか、挑戦のWeb系か

ここまで読んで、あなたはどう感じたでしょうか。どちらが良い、悪いという話では全くありません。これは、あなたがキャリアに何を求めるか、という価値観のマッチングの問題なのです。

大規模なシステムを動かす社会貢献性や、安定した環境で着実にマネジメントスキルを身につけたいなら、SIerは素晴らしい選択肢です。一方で、最新技術に触れながら、自らの手でサービスを高速に成長させるスリルと、実力次第で青天井の評価を得たいなら、Web系の環境があなたを待っているでしょう。

私がSIerからWeb系に転職したのは、決められた仕様通りに作るだけでなく、もっとユーザーに近い場所で「これは本当に価値があるのか?」と問いながら、自らサービスを創りたかったからです。その選択に、私は今も後悔していません。

あなたの価値観と、この記事で示したリアルな情報を照らし合わせて、ぜひあなただけの最適解を見つけ出してください。

SIer vs Web系 よくある質問(Q&A)

Q.
新卒で入社する場合、どちらがおすすめですか?
A.
一概には言えませんが、もしあなたがITの基礎からビジネスマナーまで、手厚い研修を受けたいと考えるなら、教育制度が充実している大手SIerは非常に良い選択肢です。一方で、とにかく早く実践的な開発スキルを身につけ、市場価値の高いエンジニアになりたいという意欲があるなら、Web系のベンチャー企業に飛び込むのも素晴らしい挑戦だと思います。
Q.
SIerからWeb系への転職は、実際に可能なのでしょうか?
A.
はい、可能です。私自身がその一人です。ただし、SIerで使っていた技術が、Web系の現場でそのまま通用しないことも多いため、自主的な学習は不可欠です。SIerでのプロジェクト管理能力や品質管理の知識は、Web系の現場でも高く評価される傾向にありますので、そこを強みとしてアピールするのが成功の鍵です。
Q.
将来的に、フリーランスとして独立しやすいのはどちらですか?
A.
一般的には、Web系の方がフリーランスとして独立しやすいと言えるでしょう。モダンなプログラミング言語やフレームワークのスキルは、個人の開発案件に直結しやすいためです。しかし、SIerで培った大規模プロジェクトのマネジメント経験を持つPM(プロジェクトマネージャー)が、フリーのコンサルタントとして高単価で活躍するケースも数多くあります。どちらの道を選ぶにせよ、明確な専門性を築くことが重要です。

本気でIT業界のキャリアを考えるあなたへ

SIerか、Web系か。その選択は、あなたのエンジニア人生を大きく左右します。もし、あなたがどちらの道に進むべきか、あるいは両方の選択肢を比較検討したいなら、IT業界に特化したプロの意見を聞くのが一番の近道です。

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この記事にはプロモーションが含まれています。

木村 翔

この記事の監修者

木村 翔

ヘッドハンター / 外資系コンサル出身

監修者コメント:鈴木さんの解説は、両業界の本質を的確に捉えています。ヘッドハンターの視点から補足すると、近年、事業会社がDXを推進する上で「SIerでの大規模プロジェクトマネジメント経験」と「Web系でのアジャイル開発経験」の両方を持つ人材の市場価値は、極めて高くなっています。どちらか一方の経験を深く積んだ後、もう一方の世界に挑戦するというキャリア戦略も非常に有効です。

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