こんにちは。ITキャリア専門ライターの鈴木です。「プログラミングを学んで、ITエンジニアに転職したい」近年、そんな声を本当によく聞くようになりました。市場の拡大、高い専門性、そして自由な働き方。確かに、ITエンジニアは魅力的なキャリアです。
しかし、その華やかなイメージの裏側で、学習の途中で挫折してしまったり、いざ転職しても理想とのギャップに苦しんだりする人が後を絶たないのも、また事実です。私自身、SIer時代に多くの未経験出身の後輩を見てきました。
この記事では、甘い夢物語は一切しません。未経験からITエンジニアを目指すあなたが乗り越えるべき『3つの壁』と、その壁を突破するための、極めて現実的で具体的なアクションプランを、私の経験からお話しします。
第1の壁:学習の壁 -「Progateが終わってから」が本当の始まり
多くの人が、Progateやドットインストールといったオンライン学習サービスでプログラミングの基礎を学び始めます。それは素晴らしい第一歩です。しかし、本当の戦いはそこから始まります。
チュートリアルをなぞるだけでは、残念ながら「ポートフォリオ」として企業に評価されるレベルのものは作れません。「作りたいもの」を決め、エラーと格闘し、自力で調べて実装する。この『ゼロからイチを生み出す経験』こそが、学習の壁を乗り越える鍵です。Twitterでも何でもいい。簡単なものでいいから、あなたの手で動くものを一つ、世に出してみてください。その経験が、あなたの自信とスキルを飛躍的に高めます。
第2の壁:転職活動の壁 -「やる気」だけでは評価されない現実
学習を終え、いざ転職活動へ。しかし、ここにも大きな壁が待ち受けています。それは、企業が未経験者に求めているのは、単なる『やる気』や『ポテンシャル』だけではない、という現実です。
採用担当者が見ているのは、『自走力』です。つまり、「自分で課題を見つけ、自分で調べ、自分で解決できる能力」があるかどうか。あなたのポートフォリオは、その証明書なのです。「なぜこの技術を選んだのか」「どこで苦労し、どう乗り越えたのか」を、あなた自身の言葉で論理的に説明できるか。面接官は、その思考プロセスを見ています。
ただ「頑張ります!」と繰り返すだけでは、その他大勢の未経験者の中に埋もれてしまいます。あなたの学習過程そのものを、課題解決のストーリーとして語れるように準備してください。
第3の壁:入社後の壁 – テストと雑用からのスタート
晴れて内定を勝ち取った後、最後の壁が立ちはだかります。それは、入社後の『理想と現実のギャップ』です。
未経験で入社したあなたが、最初から華やかな新機能開発を任されることは、まずありません。多くの場合、先輩エンジニアが書いたコードのテストや、簡単なバグ修正、議事録作成といった地味な仕事からのスタートになります。これは、あなたがその会社のコードや文化を理解するための、極めて重要な研修期間なのです。
ここで「やりたいことと違う」と腐ってしまうか、「この経験から一つでも多くを吸収しよう」と前向きに取り組めるか。その姿勢が、あなたの数年後のキャリアを決定づけます。輝かしいキャリアを築いているエンジニアは皆、この地道な下積み時代を、驚くほどの吸収力で乗り越えてきています。
壁の先にある、最高の景色
未経験からの挑戦は、決して楽な道ではありません。しかし、自らの手でコードを書き、それがサービスとして世の中の誰かの役に立つ。その喜びは、何物にも代えがたいものです。
この記事で示した3つの壁は、あなたをふるいにかけるためのものではなく、あなたが本物のエンジニアになるために必要な、成長のステップです。一つひとつの壁を、楽しみながら乗り越えていってください。その先には、あなたが想像する以上の、刺激的で自由な世界が待っていますから。

監修者コメント:鈴木さんの語る『3つの壁』は、私がWebマーケターを目指した時にも全く同じ形で立ちはだかりました。特に『自走力』が問われるという点は、全ての未経験転職者に共通する本質だと思います。この記事は、憧れだけでなく、現実的な覚悟を持って一歩を踏み出すための、最高の地図になるでしょう。